maaq

260802

 言葉というものにかなり慎重である方だ、という自負がある。流行り言葉のようなものには特に懐疑的で、努めて使わないようにしている言葉というのも多くある。インターネットスラングでいうと、今なら「〇〇で草」「顔ない」「横転」などが当てはまるだろうか。「メロい」は初めこそその言葉のあらわす絶妙なニュアンスに膝を打ったものだが、人口に膾炙するにつれより複雑な意味を孕みはじめ、使うことが難しくなった。というように、意味の扱いが難しくて使わないものもあれば、単に自分にとってしっくりこないという理由で使わないものもある。たとえば「まなざす」という言葉。初出は古く辞書にも載っているそうなのだが、個人的には「まなざしを向ける」の方がしっくりくる。「言葉/物語を紡ぐ」のときの「紡ぐ」の用法と方向性は少し似ていて、文芸や人文の文脈で特によく見かけるような気がしている。使われていること自体は気にならないのだが、どうしてかいまだ自分の辞書に載せることができない。特に結論のない話題で、こうした美意識のようなものはどのようにして培われるのかということを誰かと議論したいのだが、相手がないので、今日のところは日記に書き留めておく。

*260803追記:インターネットスラングについて、たいていの場合、これらは適当な別の言葉で言い換えることができる。曖昧なニュアンスを的確に言語化するような言葉に関してはなるほどと思うものだが、単に語感のおもしろさのみによって(極めて軽く)扱われる言葉に対しての忌避感があるのかもしれない。